100年の職人技が光る那須酒造場の「飲み飽きない焼酎」

「毎日飲んでも飽きない焼酎」を目指す4代目・那須雄介さん

人知れず受け継がれてきた幻の銘酒「球磨焼酎」機械化が進む酒蔵も多いなか、今なお創業当時の手仕込みにこだわって焼酎を作り続けている那須酒造場。現在は4代目の那須雄介さんを中心に、ご家族で焼酎の製造を行なっています。

那須さんの目指す酒造り、それは「毎日飲んでも飽きない」焼酎であること。焼酎は、食中酒でも晩酌時でも、あらゆるシーンで楽しめるお酒です。だからこそ、それぞれの日常に寄り添いながら長く楽しんでもらえる焼酎を目指しています。

繊細な神業から生まれた奇跡の焼酎

球磨焼酎は米を蒸留して作りますが、中でも「醪(もろみ)づくり」は焼酎の味を左右する大切な工程です。醪(もろみ)とは、蒸したお米と麹菌に水と酵母を加えて発酵させた液体のこと。球磨焼酎は、醪を2回仕込んだ後にできる「二次もろみ」を蒸留して作られています。

「発酵」は、日本に古くからある食文化の一つです。そして、発酵に欠かせないのが微生物。醪は微生物たちの働きによって作られますが、その状態は温度や環境に大きく左右されます。そして、醪の状態が焼酎の味を決めるのです。

那須酒造場では醪の仕込みを全て人の手で行うため、判断材料は職人の研ぎ澄まされた五感と今までの経験が全て。日々環境は変わるため、その時々の状況を見極めながら微調整を繰り返すといった繊細な職人技が繰り広げられています。同じ季節でも、暑い日もあれば寒い日もあったりと環境はさまざまです。それにも関わらず、毎年安定して高品質な焼酎を作り続ける技術は、まさに神業の域だと思いませんか?

守るだけではなく、進化してこそ伝統は継承される

昔ながらのやり方といっても、ただ技を継承しているのではありません。日々研究や改良を重ねながら編み出されたのが、今のやり方。那須酒造場の本格焼酎は、創業当時から100年以上も磨き続けられた技術の集大成なのです。そして去年より今年、今年より来年と、さらなる品質の追求を目指して、酒造り行われています。

県内外から高く評価されている実力派

那須酒造場の焼酎は、2013年の全国酒類コンクールで芋や麦など名だたる焼酎をおさえて日本一を獲得した経歴をもつ実力派です。ちなみに受賞時の評価は、「個性があり、絶妙なバランス。味に丸みがあり熟成された妙味を感じる」とのこと。プロも認める最高の品質であると証明されました。また、国税局鑑評会では10年以上連続して「優等賞」を受賞しており、質の高い焼酎を安定して作り続けていることが評価されています。

地元だけではなく県外からのファンも多い、知る人ぞ知る逸品。その味の奥深さは、言葉では表現することができません。100年積み重ねてきた技術が光る”本物”の味を知ってみたくありませんか?